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コーチングの中心地、日本

私たちは今、街を歩けばお年寄りに当たるほどの超高齢社会を生きています。 メディアでは「高齢化が若者の負担になる」という側面ばかりが強調されがちですが、私はあえて問い直したいのです。本当に、それだけなのでしょうか? 1. スコトーマを外して「資源」を再定義する デメリットばかりに目を向けていたら、目の前にある大切な「知恵」という財産を受け継ぐことも、渡すこともできなくなってしまいます。 お年寄りは、決して「守られるだけの存在」ではありません。むしろ、その長い時間軸と経験で、迷える若者たちを、あるいは焦燥感に駆られる現役世代を、しなやかに守り導ける存在なのではないでしょうか。 もちろん、お年寄りの側もマインドをアップデートし、「教える」のではなく「寄り添い、引き出す」という姿勢を持つことは必要です。しかし、そこにある「余白」や「経験」という資源を、もっとポジティブに捉え直してみるべきです。 2. 「近所の賢者」とお茶を飲む おじいちゃん、おばあちゃんが遠方にいてなかなか会えないなら、近所の顔見知りや、駄菓子屋さんのおばあちゃん、定食屋のおじいちゃん、

お年寄りから習える大事な智慧

これまで「習い事」を通じて、時間をかけて技術を磨くことの価値をお伝えしてきました。実はここには、もう一つ、人生を左右する極めて重要な「マインドの訓練」が隠されています。 それは、「未来を観る力」を養うということです。 1. 「未来を考える力」も、練習で育つ 最初から何年も先の未来をイメージできる人はいません。それは、楽器を触ったその日に名曲が弾けないのと同じです。 最初は「数時間後の食事」や「明日の遊びの約束」でもいい。大切なのは、今この瞬間だけでなく、「今より少し先の未来」に思考を飛ばす習慣を持つことです。 それができるようになったら、3日先、1週間先、1ヶ月先へと、自分が考える「未来の距離」を少しずつ遠くへ伸ばしていきましょう。これはマインドの筋トレです。 2. スケジュール帳を「なりたい姿」で埋める ここで言う未来を考えるとは、単に手帳に予定を詰め込むことではありません。 「自分が未来でどうなっていたいか」を予約することです。 どんな自分でありたいか 何を手にしていたいか どんな景色を見ていたいか 考えていてもすぐに実現しないからといって、

スマホでは手に入らないもの――量と質の向こう側にあるもの

指先一つで、欲しいものが翌日には届く。検索すれば、答えらしきものが数秒で手に入る。 そんな時代に生きる子供たちに、習い事を通じて私たちが手渡せる最高の宝物があります。 それは、「本物の技術を身につけるには、時間と労力が不可欠である」という、泥臭くも尊い真実です。 1. 里崎智也氏が語る「一流の条件」 元プロ野球選手の里崎智也さんは、かつてこう語っていました。「一流と言われる選手で、量をこなさずにそこへ到達した人は一人もいない」と。 どんなに才能があると言われる選手でも、気が遠くなるほどの反復練習を経て、今の場所に立っています。しかし、そこには「ただ回数をこなす」のとは決定的な違いがあります。 2. 「シゴキ」と「習得」を分けるもの 「素振り1000回」「腕立て1000回」といった、回数そのものを目的とした練習は、ただの苦行かシゴキに過ぎません。コーチングの視点で見れば、それは脳を停止させる作業です。そこから何か得られるものも中にはあるかもしれません。 しかし、一流が積み重ねる「量」の裏には、必ず「強烈な理想(ゴール)」があります。 ある意味、そこ

月謝は子供の為ならず

「うちは余裕がないから、習い事なんて無理だ」 もしそう決めつけているとしたら、そこには大きなスコトーマ(盲点)が隠れているかもしれません。 私たちはつい「お金があるから、何かができる」と考えがちですが、現実は逆です。 「どうしてもやりたい」という強烈なエネルギーが、結果として現実を動かしていくのです。 今回は、子供の習い事を通じて、私たち大人が思い出すべき「人生の真実」についてお話しします。 1. 小野伸二さんが証明した「Want to」の磁力 元サッカー選手小野伸二さんの幼少期には、象徴的な逸話があります。のちに天才の名を欲しいままにした小野伸二さん、大家族で経済的な余裕がなかった彼は、地元のサッカースクールの外側で、一人見よう見まねでボールを蹴り続けていました。「スクールに入りたい」という言葉以上に、彼のその「上手くなりたい」という圧倒的な行動が、周囲の大人を動かしたのです。 彼の才能に惚れ込んだコーチが、自腹で月謝を払うから通わせてくれと親に申し出た。 これは単なる「美談」ではありません。本気のゴール設定が、物理的な制約を超えて、チャンスを

カワイイ子には習い事をさせよう

子供に何かを習わせるとき、多くの親御さんは「ピアノが弾けるように」「サッカーが上手くなるように」と、その技術の習得を一番の目的に据えます。 もちろん、技術が身につくことは素晴らしいことです。しかし、私はコーチングの視点から、習い事にはそれ以上に価値のある「隠された役割」があると考えています。 それは、習い事を「夢の叶え方(脳の使い方)」を学ぶための最高のシミュレーターにする、ということです。 1. 「上手くなるプロセス」という一生モノの教材 ピアノであれ、スポーツであれ、勉強であれ、上達の過程には必ず「壁」が現れます。 その壁を前にしたとき、子供たちが何を学ぶかが重要です。 単に技術的な解決策を教わるだけでなく、 「今の自分には無理だ」という思い込み(スコトーマ)をどう外すか。 「自分ならできる」という根拠のない自信(エフィカシー)をどう育てるか。 「やらされる練習」ではなく、どうやって「自発的な遊び(Want to)」に変えていくか。 このマインドの扱い方を習い事を通じて体得した子は、将来どんな分野に進んでも、自力で道を切り拓けるようになります

その情熱は、一生使い回せる資産になる

「自分からこの競技を取ったら、何も残らないんじゃないか」 部活の引退を控えた高校生や、セカンドキャリアを模索するアスリートから、そんな不安を聞くことがあります。一つのことに全てを捧げてきたからこそ、その幕が閉じるとき、まるで自分のアイデンティティまで消えてしまうような恐怖を感じるのかもしれません。 でも、本当にそうでしょうか? 私は、むしろ逆だと思っています。 1. 磨いてきたのは「技術」だけではない あなたがグラウンドやコート、あるいは水の中で、吐きそうなほどの練習に耐え、どうすれば昨日の自分を超えられるかと考え抜き、仲間と切磋琢磨してきた時間。 そこで磨かれたのは、決して「ボールを扱う技術」や「足の速さ」などの競技力だけではありません。 あなたが無意識のうちに身につけてきた本当の正体。それは、「自分のマインドをどう動かせば、不可能を可能にできるか」という、究極の『夢の叶え方』という技術です。 2. 資産の「使い道」が変わるだけ プロになれた人も、途中で別の道を選んだ人も、その過程で培った「脳の使い方」は一生消えない資産です。...

未来を拓く、大人の背中

「努力は報われる」「一生懸命頑張れば夢は叶う」 私たちは長年、子供たちにそう語りかけてきました。 しかし、ランキングが支配する現実の世界では、頂点に立てるのはたった一人(または一チーム)だけです。 もし「努力=順位」だとしたら、1位になれなかった大多数の努力は無駄だったことになるのでしょうか。 私たちが本当に子供たちに伝えなければならないことは、もっと別のところにあります。 1. 他人の土俵で戦わされる居心地の悪さ いざ試合や査定を前にして「順位を意識するな」と言われても、現実には難しいものです。 むしろ意識すればするほど、他人の土俵に立たされながら「順位を気にするな」と言われる矛盾した居心地の悪さとプレッシャーに襲われます。 そんな時こそ、コーチングの思考技術を使いましょう。 意識がランキング(他人軸)に飛んでパニックになりそうなとき、「徹底的な具体化」を行います。 「1位を獲らなきゃ」という抽象的な恐怖を、「今、この瞬間の1プレー、この動作の精度を1%上げる」という、自分だけにコントロールできる極限の具体に引きずり下ろすのです。...

競争を「ハック」する知性

前回は、頂点を極めた先にある「過去の自分」という壁と、そこから自由になるための「プロセス重視」の視点についてお話ししました。 では、実際にランキングが存在する現実の社会の中で、私たちはどう生きればいいのでしょうか。 「順位なんて気にしない」と言いながらも、結果を出さなければ居場所がなくなる——それが厳しい現実です。 ここで必要なのは、ランキングを否定することではなく、それを「ハック(攻略)」する知性です。既存の物差しの中で戦いつつ、同時にその枠を超えていく賢い戦い方について考えます。 1. 「評価者の意図」を客観視する ランキングには必ず「評価基準」が存在します。 テストなら点数、営業なら売上、競技なら勝敗やスコア。 多くの人はその基準を「絶対的な正義」と思い込み、その枠の中で必死にもがきます。 しかし、高い視点を持つ人は違います。 その基準を「特定のルールに基づいたゲームの設定」と客観視します。 「このゲームで高いスコアを取るには、コントローラーをどう操作すればいいのか?」 そう冷静に分析し、淡々と実行する。 そこに自分の感情や人格を乗せない。

世界一の先にある「虚無」と「自由」

「いつか、あの頂点に立ちたい」 その一心でランキングを駆け上がり、ついにナンバーワンの座を手に入れたとします。しかし、そこに待っているのは、私たちが想像するような「永遠の充足」ではないのかもしれません。 大ヒットを飛ばした漫画家が、次回作を描くときに感じる苦しみを想像してみてください。 一作目は「描くのが楽しくてたまらなかった」。しかし頂点を極めた瞬間、過去の成功が重圧となって襲いかかります。 「前作を超えなければ」 「評価が下がったら一発屋だと思われる」 「読者の期待というランキングから、いつか振り落とされるのが怖い」 かつては純粋な喜びで溢れていたペン先が、いつの間にか「評価を守るための防衛」で震え始める—— これが、頂点付近で多くの人が味わう「虚無」の正体です。 1. 「過去の自分」という最強の敵 ランキングの頂点に立ったときに現れる最大の敵は、他人ではありません。 「過去の最高の自分」です。 せっかく手に入れた評価を守りたい。 世代交代を認めたくない。 そうして「今の順位を守ること」が目的になると、 たとえ1位にいながら、心の中は「いつか

奴隷マインド解放宣言

全5回にわたってお届けしてきた「マインドの再起動」シリーズ。 自分を守るためのバリアが、実は自分を閉じ込める牢獄になっていたこと。 減点方式やチクリ文化が組織の活力を奪っていたこと。 そして上司の嫉妬が、部下の可能性を殺していたこと。 重い話に聞こえたかもしれません。 しかし、ここからが本当の始まりです。 システムの歪みを見抜いたあなたには、もう檻の中に留まり続ける理由など、どこにもありません。 1. 「静かなる革命」を始める 私が言う「奴隷解放宣言」とは、誰かと争うことではありません。 「自分のエフィカシーを、他人の物差しや歪んだ組織の評価表に預けない」 と決めることです。 上司に気に入られるためにバリアを張るのをやめ、チクリ文化のゲームから降りる。 その瞬間、あなたのマインドは組織の低い抽象度を軽々と飛び越え、より広い社会、より遠い未来へと繋がります。 有能な人が静かに自分の帆を張り直す—— これこそが、停滞した組織に対する最も知的な、強力な「反乱」なのです。 2. 「場所」を選ぶ責任と、環境を創る自由 これからの時代、大人の本当の実力とは、

リーダーのその先のゴールへ

不平不満が絶えず、指示は空回りし、期待の新人は古株の洗礼を受けてすぐに去っていく。 そんな停滞した組織のリーダーは、決まってこう言います。 「今の若い奴らは根性がない」「職員の意識が低い」と。 しかし、はっきり断言します。 組織の停滞の最大の原因は、部下ではなく、上司自身のマインドにあるのです。 部下にばかり「心を入れ替えろ」と強いる上司こそが、最大のボトルネックです。 1. 「嫉妬」という見えないブレーキ リーダーにとって最も危険な敵は、外部の競合ではなく、自分の内側にある部下への嫉妬です。 自分より人望があり、才能が光る部下が現れたとき、抽象度の低い上司はそれを「組織の財産」ではなく、「自分の地位を脅かす存在」と見てしまいます。 すると、無意識のうちに情報を制限し、足を引っ張り、監視を強める。 この「上司の低い抽象度」が、組織全体にチクリ文化やバリアという毒を広げていくのです。 2. 奴隷解放宣言と、上司の末路 部下である人たちがコーチングを学び、自ら「奴隷解放宣言(自律した行動)」をしたとしても、上司が変わらなければ組織は二つの未来しかあり

スパイを生み出す組織の構造

前回は、減点方式が大人たちに分厚いバリアを張らせる仕組みについてお話ししました。 その延長線上に生まれる、もう一つの深刻な病巣があります。 それが職場に蔓延する「チクリ(告げ口)文化」です。 本来、切磋琢磨し合うはずの仲間同士が、いつの間にか互いの失敗を探り合い、足を引っ張り合う。 そんなギスギスした空気の正体を、コーチングの視点から見てみましょう。 1. 「スパイ」が優遇される、歪んだ評価軸 減点方式の組織では、上司は「誰が成果を上げているか」ではなく、「誰がミスをしているか」を探すようになります。 しかし上司一人の目には限界がある。そこで重用されるのが、上司の耳目となって情報を運ぶ「スパイ」的な存在です。 能力や成果ではなく、「誰を密告したか」で評価が決まる。 そんな光景を日常的に見せつけられると、真面目に努力している人ほど 「正直にやっているのが馬鹿らしい」と感じ、心にさらに厚いバリアを張ってしまいます。 2. 監視の目は、自分の未来を曇らせる この「監視と密告」のループに嵌まると、組織全体の抽象度が極端に下がります。 他人のアラを探すこと

減点方式の評価表が成長を止める

前回は、自分を守るための「心のバリア」を脱ぎ捨てれば人生が軽やかになるとお話ししました。 しかし、「脱ぎたいのは山々だけど、職場でそんなことをしたら痛い目を見る…」と感じる方も多いでしょう。 実は、バリアを張る大人が増えているのは、個人の問題だけではありません。 組織が知らず知らずのうちに「思考停止」と「守り」を促す仕組みが、そこに隠れています。 1. 「減点方式」という冷たい空気 多くの組織では、いまだに「加点」よりも「減点」に目が向きがちです。 新しいことに挑戦して成功する喜びよりも、 「ミスをすれば評価が下がる」という恐怖が勝ってしまう。 この空気の中で、人は自然と身を守るようになります。 「余計なことは言わない」「自分の担当だけこなせばいい」 そうやって一人ひとりが厚いバリアを張り、組織全体が「思考の無菌室」へと変わっていくのです。 2. 「正論」が武器になる瞬間 バリアを張る人が増えると、組織内の会話は「対話」ではなく「防衛戦」になります。 「ルールではこうなっています」 「それは私の担当ではありません」 本来、組織を円滑にするためのル

損得勘定が生み出すバリア

先日、滋賀へ向かう電車の中で、若い男の子たちが大人からの忠告を笑い飛ばしている場面に遭遇しました。 彼らは必死に「自分の世界」を守ろうと、心に厚いバリアを張っているように見えました。 その姿を見て、私は「けしからん」とは思いませんでした。 むしろ、「そんなに必死に守らなくても、君たちの可能性はもっと広いのに」と、もったいないような切ない気持ちになりました。 1. バリアは「自分を守ろうとする生存本能」 誰だって傷つきたくない。 否定されること、失うことを恐れてバリアを張るのは、自然な反応です。 特に今の社会は「正解」を求められすぎています。 「間違ってはいけない」「損をしてはいけない」と考えれば考えるほど、心の盾は厚く、重くなっていきます。 しかし、その盾が重すぎると—— 自分自身が動きづらくなり、世界が敵に見えてしまうのです。 2. 「損得」という小さな檻から出る 私自身、かつては強くバリアを張っていました。 「自分の権利はこうだ」「ここからは私の時間だ」と、自分を守ることが賢い生き方だと信じていた時期です。 ところが守れば守るほど、心はギスギ

未来の「スター選手」に敬意を払え

前回の記事では、親の「口出し」が子供の才能を縛るギプスになるという話をしました。 では、口を出さずにどうやって子供を導けばいいのか。 その答えは、親が「未来の目撃者」になることです。 今回は、子供の自己能力評価——すなわち「エフィカシー」を劇的に高める、具体的なマインドの使い方を共有します。 1. 「過去」の欠点ではなく、「未来」の輪郭を見る 多くの親や指導者は、子供のミスを見てすぐに叱ります。 「なぜあそこでパスを出さなかったんだ」「なぜ同じ間違いをするんだ」 これは「過去の確定した事実」にロックオンした状態です。これでは子供の脳は「ミスをする自分」というセルフイメージを強化してしまいます。 一方で、コーチングを理解した大人は、「未来のゴール側にいる子供」にピントを合わせます。 今はまだできていないかもしれない。 しかし3年後、5年後にフィールドで輝いている「完成された姿」を、親が誰よりも先に、ありありと確信を持って見るのです。 2. 「未来のスター」に対する接し方 私が提案したいのは、「自分の子供は将来スター選手になる」という前提で接すること

「愛」は出しても「口」出すな

「どうしても、子供の不甲斐ないプレーを見ると口が出てしまうんです。もっとこうしろ、ああしろって…」 先日、アメフトの後輩たちと食事をした際、切実な顔でそう打ち明けられた。 彼らは皆、競技を愛し、子供の成長を心から願っている。しかし、その「愛情」が皮肉にも子供の才能にブレーキをかけてしまっていることに、気づいていなかった。 1. 「Have to」のギプスをはめる大人たち 親が口を出した瞬間、子供の脳内では「Want to(やりたい)」が「Have to(やらねばならない)」へ一瞬で書き換えられる。 「親に怒られないようにプレーする」 「言われた通りに動いて、失敗の責任を回避する」 こうなった瞬間、子供の創造性は停止し、ただ指示を待つだけの「奴隷のマインド」が形成されていく。 あなたが良かれと思ってかけている言葉は、実は子供が自分の力で羽ばたくための翼を縛る「ギプス」になっていないだろうか。 2. その口出し、実は「親の恐怖」から来ている なぜ親はつい口を出してしまうのか。 それは子供のためではなく、親自身の恐怖が大きい。 「この子が今失敗したら、

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