
スマホでは手に入らないもの――量と質の向こう側にあるもの
- MINDSAMBO
- 5月25日
- 読了時間: 3分
指先一つで、欲しいものが翌日には届く。検索すれば、答えらしきものが数秒で手に入る。
そんな時代に生きる子供たちに、習い事を通じて私たちが手渡せる最高の宝物があります。
それは、「本物の技術を身につけるには、時間と労力が不可欠である」という、泥臭くも尊い真実です。
1. 里崎智也氏が語る「一流の条件」
元プロ野球選手の里崎智也さんは、かつてこう語っていました。「一流と言われる選手で、量をこなさずにそこへ到達した人は一人もいない」と。
どんなに才能があると言われる選手でも、気が遠くなるほどの反復練習を経て、今の場所に立っています。しかし、そこには「ただ回数をこなす」のとは決定的な違いがあります。
2. 「シゴキ」と「習得」を分けるもの
「素振り1000回」「腕立て1000回」といった、回数そのものを目的とした練習は、ただの苦行かシゴキに過ぎません。コーチングの視点で見れば、それは脳を停止させる作業です。そこから何か得られるものも中にはあるかもしれません。
しかし、一流が積み重ねる「量」の裏には、必ず「強烈な理想(ゴール)」があります。
ある意味、そこに質があるのかもしれません。
どのくらい速く、どのくらい軽やかに動きたいか。
どんな場面で、どんな軌道のボールを投げたいか。
この「理想の状態」の質に自分を近づけるために、身体が「コツ」を掴むまで、あるいはその感覚が「無意識でも再現できる」ようになるまで、何度も何度も繰り返すのです。
初めから回数が決まっているわけではありません。もし初めに回数を決めているとしたら怪我の防止のためでしょう。しかし、何回も繰り返す本当の目的は「わかるまでやる」「できるまでやる」。その結果として、膨大な量が必要になるだけなのです。
3. 「コツ」は脳と身体の対話の中にしか現れない
小野伸二さんがフェンスの外で、完璧に再現できるまでボールを蹴り続けたのも、まさにこのプロセスです。
「コツ」というものは、スマホで検索してダウンロードできるデータではありません。自分の脳にあるイメージと筋肉や神経が、何千、何万回という対話(試行錯誤)を繰り返す中で、ふとした瞬間にパチリと回路が繋がるように現れるものです。
この「時間をかけて、自分の身体を書き換えていく手触り」の楽しさ、達成感、充実感を知っている子は、安易なショートカットや、闇バイトのような他人から奪う「手っ取り早い成功」に魅力がないことをわかっています。それは一流のスポーツ選手や著名人が正しいお手本だからでもあります。
4. 習い事が教えてくれる「人生の攻略法」
何かを手に入れるためには、相応の時間と労力がかかる。
これは一見、厳しい現実のように聞こえますが、実は「自分を信じるための最強の根拠」になります。
「この理想のために、これだけの回数を積み重ねてきた」という自負は、誰にも奪うことのできないエフィカシー(自己能力評価)の源泉となるからです。
習い事の月謝で私たちが買っているのは、技術そのものではありません。
「夢を叶える方法がある。実践してみたら夢に近づく。」という体験を、習い事を通して学び、習い事以外のことについても応用できる子供に育てているのです。

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